ここでは、むずかしい暗号技術の話はなるべく立ち入らず、全体像や仕事を行う上で最低限知っておきたい概念を見ていきたいと思います。
暗号技術は、電子申請を行う際は必須の技術でありますが、今自分が行っている操作が一体どのような意味をもっているのかを知ることによって、「何をしているのか」をより深く理解することが出来るのです。
電子申請ばかりではなく、クライアントと電子メールを安全にやりとりするためのヒントにもなると思います。
メインは、社会保険労務士や税理士の先生を対象とした話になると思いますが、一般の会社の担当者にも役に立つ内容になっていますので、ぜひ最後まで読み進めてください。
暗号の歴史はとても古く、紀元前19世紀に遡ります。古代エジプトでは象形文字を用いて暗号文が作られていたと云われています。
また、ローマのユリウス・カエサル(Julius Caesar,ジュリアス・シーザーと言った方が分かり易いですね。)は、文字を数文字ずらすことによって、暗号化していました。
例えばこんな感じです。
暗号前 | 暗号後 |
SHAROUSHI | VKDURXVKL |
一見すると意味が通りませんが、「3文字ずらす」というキーワードが解れば簡単に解けてしまいますね。
暗号は古くから軍事目的や政治目的で使われてきた背景があります。そのために最近まで暗号技術に関しては輸出制限が設けられていました。
映画でも取り上げられたドイツ軍の「エニグマ暗号」は有名ですが、この暗号の解読が成功していなければ連合軍の「ノルマンディー上陸作戦」の成功はなかったと云われています。このように暗号は、新しい技術の発明と解読を繰り返してきました。