非居住者の給与計算への対応 †
LIMSのrev322以降のバージョンから、非居住者(海外勤務者など)の給与計算に対応しました。
従業員マスタに、次の2つの設定を追加しています。
- 税表区分に「非居住者(源泉徴収あり/なし)」を追加
- 6:源泉有(非居住) … 非居住者(源泉徴収あり)(所得税 20.42%)
- 7:源泉無(非居住) … 非居住者(源泉徴収なし)(所得税 0)
- 介護保険加入区分に「2:適用除外」を追加
これにより、非居住者に対する源泉徴収所得税(20.42%)の計算や、介護保険料を徴収しない設定ができるようになりました。
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現在のLIMSでは、支払った賃金のうち「居住者分」の賃金を計算・集計することを目的に設計されており、非居住者の源泉徴収税額の計算のみに対応しています。
「非居住者分」の賃金を集計・帳票出力することはできません。
変更内容 †
従業員マスタの税表区分 †
従業員マスタの税表区分に、非居住者向けの2区分を追加しました。
| 区分 | 表示 | 所得税の計算 |
| なし | 0:なし | 所得税は計算しない(0円) |
| 居住者(甲欄・乙欄・丙欄) | 1:月額甲 〜 5:日額丙 | 従来どおり(税額表により計算) |
| 非居住者(源泉徴収あり) | 6:源泉有(非居住) | 課税対象額の20.42%を所得税として源泉徴収 |
| 非居住者(源泉徴収なし) | 7:源泉無(非居住) | 所得税は源泉徴収しない(0円) |
20.42%は、所得税20%に復興特別所得税(1.021倍)を加えた税率です。
非居住者には、所得税計算上での社会保険料控除がありません。このため、給与計算時に課税対象額から社会保険料は控除されません(課税対象額 = 総支給 − 非課税)。健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料そのものは、通常通り差し引かれて支給されます。
従業員マスタの介護保険区分 †
40歳〜64歳の場合、通常は介護保険料を支払う必要がありますが、国外居住者等については届出により介護保険適用除外とすることができます。
このような場合は、従業員マスタの1画面目「介護保険区分」の欄で「適用除外」を選択します。
| 区分 | 意味 |
| 0:非対象 | 介護保険の対象外(40歳未満・65歳以上など) |
| 1:対象 | 介護保険料を徴収する(40〜64歳) |
| 2:適用除外 | 40〜64歳だが、申請により介護保険料を徴収しない。健康保険・厚生年金は加入のまま、介護保険料のみ0とする |
従来は、介護保険料を徴収しないために「非対象」に設定すると、40〜64歳では給与計算のたびに「介護区分エラー」の警告が表示されていました。「適用除外」を指定すると、年齢での警告が表示せずに介護保険料だけを0にできます。
- 「適用除外」は40〜64歳の場合のみ指定してください。
- 40歳未満・65歳以上で「適用除外」のままだと、警告が表示されるので、「非対象」に設定してください。
給与計算(賞与計算)・年末調整での処理
給与計算(賞与計算)
指定された設定に従い、課税対象額・源泉徴収税額が計算されます。
- 介護区分
- 「適用除外」の従業員は、給与・賞与および各種帳票で介護保険料が0で計算されます(健康保険・厚生年金は従来どおり)。
- 税表区分
- 給与・賞与の所得税が区分により、源泉あり=課税対象額の20.42%、源泉なし=0円で計算されます。
- 非居住者は所得税計算上の社会保険料控除がないため、課税対象額から社会保険料が控除されません。そのため課税対象額は居住者より増えます。
(健康保険・厚生年金・雇用保険の保険料そのものは、従来どおり給与から控除されて支給されます。)
給与計算での計算例:
- 介護区分が「2:適用除外」
→介護保険料が0
- 税表区分が「6:源泉有(非居住)」
→課税対象額から社保合計が控除されない
→源泉徴収が課税対象額の20.42%
賃金台帳
- 賃金台帳には、給与・賞与を計算した時点の税表区分が記録されます。
賃金台帳画面の [F8:労保] で開く画面で、記録された税表区分を確認・修正できます。
例: 賃金台帳に保存された税表区分(7月分)
年末調整 †
- 年末調整の [F5:賃読] では、賃金台帳に記録された税表区分が居住者分(1〜5)の賃金のみを読み込みます(非居住者=6・7 として計算された月分は集計しません)。
- 移行措置: 令和8年分の [F5:賃読] では、税表区分が未設定(0)の賃金も集計します(本機能の導入前に計算された賃金は、税表区分が未設定のため)。
- 令和9年分以降は、税表区分が1〜5の賃金のみを集計する予定です。
非居住者分の賃金集計は、現在未対応です。
制限事項 †
- 月の途中で居住者・非居住者が切り替わる場合でも、1か月の給与を居住者分・非居住者分に日割りで分けて計算することはできません。その月に設定されている税表区分にしたがって、月単位で一括計算します。
- 現在のLIMSでは、支払った賃金のうち「居住者分」の賃金を集計することを目的に設計されています。そのため、「非居住者分」の賃金を集計・出力することはできません。