株式会社  CSクリエイト

Q:遡及払の金額がある場合の社会保険の処理の仕方について

A:賃金台帳の「社保調整」「社固調整」項目に値を入力してください。

LIMSで給与計算を行っているとき、遡及払いがある場合は、実際の支給額とは異なる金額、つまり遡及額を分配した金額で、算定基礎届・月額変更届を作成する必要があります。

この場合、賃金台帳の

社保非算入
社会保険の賃金に算入しない項目です。
  • 給与計算では、支給控除項目マスタの設定に基づき、自動的に計算される項目です。
社固調整
社会保険の固定的賃金に対する調整額を入力する項目です。
  • 給与計算では自動計算されず、賃金台帳上で手入力する項目です。
  • 月変・算定の編集画面上の「調整額」に、「社保調整額」と「社保固定調整額」の合計金額が読み込まれます。
社保調整
社会保険の固定的賃金以外に対する調整額を入力する項目です。
  • 給与計算では自動計算されず、賃金台帳上で手入力する項目です。
  • 月変・算定の編集画面上の「調整額」に、「社保調整額」と「社保固定調整額」の合計金額が読み込まれます。

をそれぞれ適切に入力することで、遡及分の処理が行えます。

以下の例で、社会保険の遡及処理の入力の仕方を説明します。

例: 4月分・5月分の基本給の昇級分(10,000)を6月に2ヶ月分遡及で支払った場合

この場合、遡及払い分を「社保非算入」として計算します。賃金台帳上では以下のようになります。

給与計算された賃金台帳の項目値
基本給残業手当遡及分総支給額社保固定社保非算入
4月分180,00010,0000190,0000180,0000
5月分180,00015,0000195,0000180,0000
6月分190,00020,00020,000230,0000190,00020,000
7月分190,00010,0000200,0000190,0000

ここで、4月5月分への遡及分として社会保険で処理する額を、賃金台帳の「社固調整」(社保固定調整額)項目に10,000と手入力します(��)。

賃金台帳の項目値→社保画面で処理される額
総支給額社保固定社保非算入社保固定調整→総支給社保固定
4月分190,0000180,0000��10,000��200,000��190,000
5月分195,0000180,0000��10,000��205,000��190,000
6月分230,0000190,00020,0000210,000190,000
7月分200,0000190,00000200,000190,000

この賃金台帳を社会保険編集画面で読み込んだとき、それらの月の「調整額」※には入力した金額が加算され(��)、この修正された金額で社会保険の計算処理が行われます。

[point] ※「調整額」には、「社固調整」・「社保調整」を合算した金額が読み込まれます。

[memo] あくまで社会保険で処理する上での対象の額が変わるだけなので、賃金台帳上の支給額などは変更されません。したがって、給与明細書・年末調整・年度更新には影響はありません。

固定的賃金ではない遡及払いの場合は、「社固調整」の代わりに「社保調整」に値を入力することで、同様の遡及処理をふまえた社会保険処理を行うことができます。

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